Column / News Letter



Webマーケティングトレンド通信 2012年10月号

Web解析レポートフレームワーク構築のための7つのステップ

分析を行っている企業は非常に多いにも関わらず、きちんとしたフレームワークを構築している企業はまだまだ少ないようです。 担当者がより高度かつ戦略的な分析に注力するためにも、Web解析レポートのフレームワーク構築はとても重要です。
今回は、7つのステップに分けてフレームワークの構築方法をご紹介します。

一般的に、分析とマーケティングに携わる担当者の目標は以下の通り定義されます。

  • 顧客への理解を深める
  • サイトのパフォーマンスをアップさせる
  • マーケティング施策のROIを向上させる
  • 経営陣への提言・報告

7つのステップは以下になります。

  1. 要件を定義します。
  2. 来訪者のチャネル(来訪者のWebサイト利用手段)を把握します。
  3. 分析データを整理します。
  4. 来訪者属性別にデータを分類します。
  5. 自動アラート機能を取り入れます。
  6. レポート機能を統合します。
  7. レポート作成を自動化します。
Step1:要件を定義します。

何を計測対象にすべきなのかを明確にします。これは次に続くステップのベースとなります。 営業、マーケティング、製品サポート、IT部門などのステークホルダーを明確にし、彼らにとって何が一番必要な情報なのかを定義する必要があります。

ビジネスの成功にとって重要であるKPIを評価することに時間と努力を費やすことが大切です。 多くの企業がこのステップを省いてしまう傾向にありますが、実は一番重要なステップです。

Step2:来訪者のチャネルを把握します。

来訪者のチャネルの特性を把握し、どのように追跡するかを明確にします。

1つのツールでは、すべてのチャネルに特有の指標を把握することはできません。 今日ではツイッターやfacebookなどのソーシャルメディア、YouTubeのビデオ、また、聞いた事もないチャネルもあるでしょう。 チャネルは常に進化しています。3年前に「ツイート」という言葉を知っていた方は少ないと思います。

例1:動画を掲載しているコンテンツサイトの場合

動画の成果について計測することになります。 一般的な再生回数や再生時間だけでなく、見るべきポイントは「再生」や「一時停止」、「戻る」などのイベント、 どの部分に興味を持っているか、といった項目になります。

例2:ブログの場合

コメント数やポスト毎のワード数やコメント毎のワード数などを見ます。 ブログの成功指標はブログ読者により構成されます。フリーブログツールのWordPressの指標では、

  • ポスト数/月
  • ワード数/ポスト

ブログコンバージョン指標として、

  • 平均コメント数
  • コメント数の標準偏差
  • ワード数/コメント
  • 平均トラックバック数

などを取得することができます。

例3:facebookの場合

facebookの場合、コメントや「いいね!」、シェアなどを通じて効果を把握します。自社サイトの外部でコミュニケーションが発生する例です。

【例】facebookインサイトのデータでは、「いいね!」やシェアの数などを把握できます。また、1人のユーザーに繋がっているユーザーに、「いいね!」やシェアをすれば共有されていることになります。これらを増やすためには、ユーザーとの対話を促進させるための面白いコンテンツをポストして行く必要があります。

Step3:分析データを整理します

なぜ分析データを整理するかというと、手元にある莫大なデータの中に、必要のないデータが含まれているからです。

よく、Excelファイルに多くのタブで多くのデータを闇雲に保存している人がいます。これではすぐに理解することができませんし、そんなデータは二度と見たいと思いません。 何が意味のあるデータなのかを明確にし、その他は捨ててしまいましょう。経営者がぱっと見て直感的に理解できる、ということにフォーカスしましょう。

  • eコマースサイト:売上データ、ROAS(Return on advertising spend)、期待される成果との比較データをレポートします。
  • B2Bビジネスサイト:潜在顧客獲得数とその獲得コストをレポートします。
  • コンバージョン率、どのチャネルが有効で、どのチャネルが有効でなかったかをレポートします。
  • もし分析を始めたばかりで、良いツールが導入されていない場合、「直帰率」のような基本的でも重要な指標をレポートします。これはキャンペーンやページの善し悪しの判断に非常に効果的です。
  • KPIを自分で開発できてしまうような分析の上級者の例(某新聞社のWebサイト)では、やや複雑な分析の取組みとしてユーザーとWebサイトとのエンゲージメントについて測定を始めており、ユーザーの行動を理解するために深い考察を続けています。
  • 自社をとりまくステークホルダー各々について、2〜3項目の分析を行うのが目安となります。
Step4:来訪者属性別にデータを分類します

来訪者属性別にデータを分類することで、データに意味が出てくることがあります。

大量な来訪者を獲得できたとして、その次はどうしたら良いでしょうか。属性分類を行います。 例えば通常とは異なる大量なトラフィックが発生したにも関わらず、新規申込のコンバージョン数が変わらなかったとしたら、 コンバージョン率は下がってしまいます。この場合、特異なトラフィック属性を分ける必要があります。 すでに申込済みの既存ユーザーのトラフィックが多く発生していたことがわかったら、 既存ユーザーを取り除いた来訪に対するコンバージョン率が正しいコンバージョン率と言えます。

今日の分析ツールは、高度な属性分類ができるようになっています。 例えば有料検索連動型広告での来訪か自然検索での来訪か、ユーザーか、非ユーザーか、 地理的な情報や新規かリピーターか、使用している端末などです。 これらの属性で絞り込んで分析することで、ビジネスに意味のある情報を入手することができます。

例: eコマースサイトの場合、今月の売上、売上計画の数字、前月の売上、前年の同月の売上などで比較をします。

Step5:自動アラート機能を取り入れます。

Web解析ツールの自動アラート機能を活用します。 これにより主要な指標において意味のある変化を検出し、そこにフラグを立ててくれます。 この自動アラートは様々なトラフィックのデータの中から問題のある施策をピックアップし、判断を促してくれます。 例えば複数の広告の中からある広告を止めた場合、 明らかにトラフィック数の減少が見られたら自動的にアラートで知らせてくれるため、その広告の再開をする、 といったような判断が即時に可能となります。

自動アラート機能が異常を通知してくれれば、担当者はより戦略的な仕事にフォーカスすることができます。

Step6: レポート機能を統合します。

これにより、5つのステップはより効果的かつ簡単にすることができるでしょう。

私たちは様々なデータを持っています。 例えばオフラインデータやキャンペーンコストに関するデータ、モバイルアプリのデータ、競合に関するデータ、調査結果などです。 トラフィックデータはセグメントし、アラートも自動的に取得できます。
そこで次に様々なデータを統合し、より意味のある、次の行動が可能なデータにしましょう。 異なるソースからのデータをダッシュボードで統合します。 データ統合は上場企業のような大手がやることだと思われるかも知れませんが、持っているデータソースの数やチャネル、 アトリビューションのモデリング、分析ニーズによって統合するレベルは異なります。 使用可能なツールを用いて、最小限の規模でスタートすることもできます。 Web解析ツールは、SalesForceなどのソリューションやツールとAPI連携することもできますので、ぜひ挑戦してみてください。

Step7: レポート作成を自動化します。

レポート作成を自動化しましょう。これによりさらに高度な仕事に集中できるようになります。

多くのツールで、データをメールやダッシュボードに送信することができます。 KPIを決定したら、できるだけそのように自動化しましょう。 これらはすべてより高度かつ戦略的な分析に時間を割くための手段です。

まとめ

今回ご紹介したレポーティングに関する7つのステップを実行することで、担当者は深い洞察を行い、 より高度な分析を実現することができるようになります。これにより適時適切な対応が可能となります。 現状で利用可能なツールを使って、最小限でも良いのでレポートのフレームワークを構築してみましょう。

参考文献

A 7-Step Analytics Reporting Framework

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